少しだけ振り返り
父が亡くなって
だんだんと認知症が進んでいった母
勤めの帰りに様子見て
なんとか食べさせて帰宅する
自宅に帰って家事
家族に心配と負担をかけないよう
自分に言い聞かせて7年間
とうとう母は手に負えなくなってしまった
さまざまなことが重なって
今は父と母の暮らした部屋に
ひとりで暮らすこととなる
家族はみんなそれぞれの暮らし
困った時だけ助け合う
思い出とともに大量のものを処分した
私が私がという殻を捨てた今
母はお仲間たちと笑ったり歌ったり
テレビを見たり
幻の父や幼い頃の兄弟と
ホームの部屋で
もうずっとここが我が家だったと
疑うこともなく毎日
規則正しく暮らしている
こんな日が来るなんて
一年前には夢にも思わなかった
すべてを手放して
見えてきたこともある
人より少し早く
終わりを迎える整理整頓が出来た
虚脱と絶望と不安のなかで
救ってくれた本がある
書店でたまたま見つけた本
ショコラさんの「58歳からの....」
自分の足で歩いて行こうと思う力をもらった
感謝は伝えきれない
まだまだ人生は続くから
ここから先は自分らしく
とりとめのないメモ帳を残してみたいと思う