朝のひととき
娘が帰り
また一人の暮らしに
スープの冷めない距離で
長年母を見守っていた私は
自分の生活が中心で
母の寂しさも一人の気楽さも
あまりわからなかった
ある頃からカーテンを閉め切り
日中でも部屋を暗くして
私が光を入れてやると
嫌がるようになっていった
こんなことをふと思い出すのも
一人になったからかな
外の空気はまだ冷たいけど
ガラス越しに暖かい日差し
朝の光はいいな
テレビをつけなければ
いつもと変わらない静かな朝だ
出勤前の数十分
外ではコロナや
混雑の電車や
山積みの仕事が待っている
あと少し頑張ろう